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2025.8.6

「母親って、そんなに特別?」

「母の日」をしない園が増えている理由、知っていますか?

近年、保育園や学校で「母の日」のイベントを実施しないケースが増えています。
その背景には、家庭の形の多様化があります。

たとえば――

  • 母親のいない家庭

  • シングルファザー家庭

  • 祖父母が養育している家庭

  • 養子縁組をしている家庭

  • LGBTQ+のカップルやシングル世帯 など

こうした家族の在り方を考慮したうえで、**“誰かを置いてきぼりにしないように”**という配慮から、「母の日」は避けられる傾向にあるのです。

このような時代に、「母親」というテーマをブログで取り上げることに、少し迷いもありました。
ですが、あえて今、お伝えしたいと思います。

それは、「母親じゃなければ子どもは育たない」と伝えるためではありません。

むしろ、“母親”という役割に必要以上の重荷を背負わせないために、
そして、“母親”の存在が持つ意味を、責めるのではなく、活かす視点で伝えたいのです。


子どもにとって、母親とは?

生まれたばかりの赤ちゃんは、すでに母親の声や匂いを識別できると言われています。
これは、胎内にいるときから五感を通じて母親とつながっているためです。

子宮の中は、赤ちゃんにとっての最初の「安全基地」
外界の刺激から守られ、栄養を受け取り、一定のリズムや音に包まれて成長します。

そして、出産という大冒険を経て、赤ちゃんは「外の世界」へと旅立ちます。
でも、そこは未知で不安だらけの環境。自分で自分を守ることもできません。

だから、赤ちゃんは本能的に、安全基地だった母親に再び寄り添おうとします。

  • 抱っこされて

  • 母乳やミルクをもらいながら

  • 母の声に耳を傾けて

赤ちゃんは安心し、体と心を落ち着けます。
そのとき、オキシトシンという“愛情ホルモン”が分泌され、母子ともにリラックスし、深い絆が育まれていくのです。


では、「母親」でないといけないの?

いいえ、決してそんなことはありません。
母親に代わる「安心できる存在」がいれば、子どもはしっかりと育ちます。

保育士、祖父母、パートナー、地域の支援者、あるいは父親など、
子どもが“心を預けられる人”がそばにいるかどうかが、何よりも大切なのです。

ただ、それでも「母親」という存在が、子どもにとって特別に感じられるのは、
生まれる前から、五感すべてでつながってきたからです。

その記憶は、言葉にならなくても、体の奥深くに残っている感覚として子どもの心に刻まれます。

ですから、子どもにとって、母親は特別。母親を大切にしない相手に対しては、敵意や嫌悪を感じることもありますし、子どもを傷つけることでもあります。

だからこそ、子どもの前で、母親を否定したり苦しめるような行為は、あってはなりません。

例え、母親が目の前にいない、一緒に暮らしていない状況であったとしても、
子どもの前で、母親を否定したり、存在そのものを消したりするような関わりは、
子どもの「自己肯定感」や「生きる力」に影響を与える可能性があります。


「母親であること」が苦しいとき

最近の調査では、「子どもを持たない人生の方が幸福度が高い」という結果もあります。
たしかに、育児は喜びだけでなく、犠牲や責任も伴います。
心も体も、自分の時間すら奪われる感覚を持つこともあるでしょう。

実際、多くの母親たちが言います。

  • 「自分を見失いそう」

  • 「ちゃんと育てなきゃというプレッシャーが苦しい」

  • 「誰かに認めてもらいたい」

  • 「時々、逃げたくなる」

そう感じるのは、あなたが一生懸命だからです。

そして、それはおかしなことではありません。

「母親になったから幸せにならなきゃ」
「子どもがいれば自然と愛情が湧くはず」
そんな理想を押しつけられれば、苦しくなって当然です。


“母親だから”できることがある

 

でも、あなたが母親という立場だからこそ、できることがあるのも事実です。

それは、
「この人なら私の全部を受け止めてくれる」
そう思わせてくれる安心感や、無条件の愛を注げる力です。

信頼関係は、日々のやり取りのなかで、ゆっくり育まれていきます。
完璧じゃなくていい。
余裕がなくてもいい。

母親という存在に、自分自身を受け入れられることが、
結果的に子どもにとっての“安定”につながっていく
のです。


最後に

母親であることを、
「特別な存在」として肯定しながらも、
「ひとりの人間」として守っていくことが、
これからの子育てにおいて、とても大切な視点になります。

子どもにとって、母親はかけがえのない存在。
でも同時に、母親にとっても、子どもはかけがえのない存在です。

  • 子どもが笑ったとき

  • 自分を求めてくれたとき

  • ぎゅっと抱きしめたとき

その瞬間に、**“母親になれた幸せ”**を思い出せるように。
そして、もし今、自信をなくしていたり、疲れていたりしたら、
どうか無理をしすぎないでください。

視点と行動を少し変えるだけで、子育てはもっと軽やかになります。
気持ちがつらいときは、気軽にご相談くださいね。

ふわっちは、子どもを想うあなたを「ふわっとキャッチし、シュワッチと助けます」


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  • vol.1「今できる『予防保育』のススメ」

  • vol.2「親ができる賢いえらび方」

  • vol.3「子育てのウソ・ホント」

ふわっちTAKAKO

NPO法人適正育成ラボ「ふわっち」代表 2児の母(長女28歳 次女25歳) ▶社会人(母親)になってから保育士資格取得 ▶保育士勤務 8年 保育士養成校 講...

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